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デフアカデミーの言語聴覚士 岡松の原体験

岡松 有香
岡松 有香

デフアカデミーで児童発達支援管理責任者をしている岡松です。
これからブログを通してデフアカデミーの様子やサイレントボイスの事業についてご紹介していきたいと思います!
よろしくお願いいたします。

岡松

ドキュメンタリー番組「木苺を見つけるまで」

2/24にSilent Voice初のドキュメンタリー番組「木苺をみつけるまで」が放送されました。
岡松も少し出ており、話す場面もあったので、見ていただいた方は、もしかしたら覚えていただいているかもしれません。
今回は「岡松誰やねん」と思われる方に向けて私と手話の出会い。現在の仕事に出会うまでの話を紹介いたします。

岡松

1.手話との出会い

私が手話に初めて出会ったのは、幼稚園の時です。音楽発表会でゴダイゴのビューティフルネームを手話を交えて歌いました。その後小学校でもいくつか手話歌を習いました。それらの歌は大人になった今でも全部歌えます。その頃から手話を面白いと思っていたのかもしれません。

幼稚園のお遊戯会で手話を交えて歌う岡松(左から二番目)

それからしばらく手話とは無縁の生活を送っていましたが、高校生の時に参加したタイの貧しい地域の人たちに支援物資を届けるスタディーツアー「タイ隊」で再び手話と出会いました。

タイのスラム街や小学校、支援をしているシェルターに泊まり込み、様々な施設を訪問し、支援物資を届けました。その中で聾学校へ訪問する機会がありました。言語としての手話に初めて触れた瞬間でした。

私たちは、通訳の方のサポートなしでは話を理解することはできませんでしたが、ジェスチャーや、表情を用いて何とかコミュニケーションをしようとしていました。日本人よりも数段表現力が豊かな現地の人たちにかなり助けられていました。
そんな日々の中、コミュニケーションに対する感覚が普段より研ぎ澄まされていったように思います。

訪問先での集合写真(最前列左から二番目)

10人ぐらいの子どもたちに凧の作り方を伝え、一緒に作りました。初めて見る手話が飛び交う世界。目に見える躍然たる世界とは裏腹な静かすぎる世界に、経験したことのない感覚を覚えました。

タイの聾学校で子どもたちと交流する岡松

2.言語を超えた体験

そこでの女の子との出会いが今の私の原点だと思います。コミュニケーションは手話だし、タイ語は読めないし、名前すらわかりません。私がしたことといえば、とにかく一緒にいることでした。その中で私が読み取れた手話は「飛行機」だけでした。

それでも伝わったという感覚を共有し、目を見て一緒に笑いました。目を合わせている時間がとにかく長かったです。何かを伝えようとする気持ち、相手の何かをキャッチしようという気持ち、それはお互いに共通した感覚だったように思います。

その子に会いに来年も必ず来よう、そんな風に思ったのを覚えています。

聾学校の子どもたちと一緒に凧作り

翌年、私はまたタイ隊に参加しました。聾学校への訪問も同じようにありましたが、”彼女”には会えませんでした。日本の聾学校とは比較にならないほどの児童がいたため、交流のメンバーには選ばれなかったのか、自宅に帰ったのかは不明でした。

伝えるすべを持たない私は”彼女”について聞くこともできませんでした。

帰りのバスに乗り込み、たくさんの子どもたちに囲まれて、手を振っていると向こうの方から人混みをかき分け近づいてくる女の子が、私の座席の窓際に立ち、何かを懸命に訴えています。一つの単語もわかりませんでしたが、「会いたかった、一目でも会えてよかった」間違いなく同じ感情で繋がっていたと確信しています。

帰り際にようやく会うことができた、”彼女”

3.大学進学〜言語聴覚士

その後、私は両親の猛反対を受け、タイで働くことは諦め、大学を受験。福祉学部に進学しました。
大学時代に行った山奥の実習先(当時の障害者更生施設)のスーパーバイザーの先生の一言がきっかけで、私は言語聴覚士という仕事を知りました。
「この人たちも小さいころに適切な療育を受けることができていたなら、今頃社会の中で暮らせていたかもしれない、、。」

必要な時期に必要な支援を。それは医療や福祉に限らず、全ての人に通ずることだと思います。

大学院進学が決まっていましたが、その言葉が忘れられず、進学を辞退。
1年後より言語聴覚士資格取得のために専門学校に入学しました。

前職の同期と岡松(右)

言語聴覚士となった私は、奈良の病院での勤務が決まりました。念願の小児専門の言語聴覚士として、5年経験を積ませてもらうことができました。
たくさんの子どもたち、保護者と出会い、たくさんのことを学ばせていただきました。
0歳~107歳の方たちの担当をさせていただき、子どもも大人も高齢者も、同じ人間。障害があろうがなかろうが、わたしがすべきことは変わらないんだ、ということに気づかせてもらいました。
病院で働いている間にたくさんの方法を学ぶことができました。

 

ここで、言語聴覚士ってなに?って方に向けて簡単に私の仕事を紹介します。

 
 

言語聴覚士って何する人??
ことばや聴こえなどのコミュニケーションに障害のある方々に対して相談・評価・訓練・指導・助言などの援助と 、QOL(生活の質)の向上や社会参加のための支援を専門的な立場から行います。また、ご家族や周囲の方々に対して、 相談・助言など適切なサービスを提供します。さらに、摂食・嚥下(えんげ)の障害がある方々に、医療機関や保健・福祉機関と 連携をとりながら、専門的な対応をします。大阪言語聴覚士会HP
簡単にいうと「言語」「聴覚」「嚥下(えんげ)」のサポートをする仕事です。

私は前職で発達障害や知的障害のたくさんの子どもたちの成長を間近で感じてきました。その中で私が意識していたことは、次のステップへ1歩進む方法です。
人にはできること、できないことが様々あります。絵を描くことは得意、でも逆上がりはできない。人の話を聞くことはできるけど、うまく話すことはできない。等々。
例えばよくあるお母さんからの相談が、

「うちの子、人の話をきかないんです」です。

なるほど。お母さんからみたら、「人の話を聞けない子ども」です。
さて、質問開始!

岡松

誰の話も聞けないの?

特に私の話を聞かない!テレビは集中してみてるのに!

お母さん
岡松

どんな時でも聞けないの?

片付けなさい!って何回言ってもダメ。最終的には大きな声を出さないといけないから疲れる。。

お母さん

なるほど。お母さんそりゃ疲れるよね。
ここから私と子どもとのやりとりをお母さんに見ていただきます。
めいっぱい遊んだあと、「片づけるよ~」と声をかけます。私が大声を出すことは一切ありません。でも、あらら?お家よりもスムーズに片付けができる!!?
お母さんは、「なんで岡松さんのいうことは聞くの!!?」とおっしゃいます。
私は魔法使いではありません。ただ、環境設定がお母さんよりすこし上手なんです。あと、お母さんではないので、感情的にもなりにくい。
なにが違うのか?というと、まず、声のかけ方。必要最低限の声掛けしかしない。また、注意を私に向けてからお話しを開始する。そして、見本をみせる。どこに、なにを、どうすれば”お片付け”なのか?を見てもらう!ただ、それだけ!
もちろん、子どもたちの状況に応じてレベル変化は必要。
例えば、5このおもちゃを片づけられる子どもに、30このおもちゃを片付けなさい!!は難しいのは誰にでもわかると思います。
でも、「出したものは全て片付けなさい」が普通の感覚。

 

この感覚が子どもの”できない”を生み出す結果となる。

 

まずは最後の一つを片づけてもらう。できたら「お片付けできたね!」と褒める。徐々に数を増やしていくことで、子どもは片付けができるようになります!
長くなりましたが誰にでも、できる・できないの境目があるということです。このことは子どもでも大人でも、障害があってもなくても一緒です。
その境目を見極めて、いろんなアプローチを考えるのが私の言語聴覚士としての仕事。
そんなふうに働いていた私ですが、3年前運命的な出会いをします。

この続きは、後編へ。

 
オンライン授業でろう・難聴児につながりを。

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この記事を書いた人
岡松 有香
岡松 有香
手話の話せる言語聴覚士 / NPO法人SilentVo理事 デフアカデミー谷町六丁目校 児童発達支援管理責任者  高校でタイの聾学校にボランティアで訪れた際、手話と出会う。 彼らのコミュニケーションに魅了され10年前より手話の学習を始める。 大学卒業後、言語聴覚士資格取得のため専門学校へ通い、その後回復期リハビリテーション病院で勤務。0歳~107歳までのリハビリ・ハビリテーションを担当。 その後、縁あってSilentVoiceと出会い、2017年9月、デフアカデミー谷町六丁目校の開校と同時に転職。自身の手話の技術と言語聴覚士の資格や経験を活かすことができるこの職を天職だと感じている。 2019年度より経営メンバーに加わることとなり、様々な角度からろう難聴児への私たちだからできるサポートを実現すべく日々奮闘中。
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