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違いを強みに変えていく 大手電機メーカー社員がNPOで副業をする理由

宮川 幸
宮川 幸

今回インタビューしたのは、宮田さんと平澤さん。
DEAF(聞こえない聞こえにくい人の呼称として使用)の宮田さんは、Silent VoiceのCFO(最高財務責任者)。
一方聴者(聞こえる人)の平澤さんは、現在大手電機メーカーに勤務されており副業としてSilent Voiceの財務アドバイザーをしています。
DEAF×聴者、本業×副業のリアルな実態をインタビューしました!

DEAFと聴者のミーティング方法

ー 宮田さんはどうして平澤さんに財務をお願いしようと思ったのですか?

僕は現在CFOとしてSilent Voiceの財務を担当しています。
当時は会社を立ち上げたばかりだったので、予算もなく財務の経験のある人材を雇うことはできませんでした。予算はなかったものの、起業の生命線を握るお金に関して経験者の視点が欲しい。そこで弊社の社外取締役である成澤さんの紹介で知り合った平澤さんにボランティアとして財務アドバイザーとして入っていただいたのが始まりです。今ではきちんと報酬を支払って、月に1~2回程度財務全般をみていただいています。

宮田

ー 平澤さんのような財務のプロに入っていただけるのは、会社として助かりますね。
宮田さんはDEAF、平澤さんは聴者ですよね。仕事はどのようにして進めているのですか?

進め方は、UDトーク(音声認識アプリ)で平澤さんの音声を文字化し、Zoomで表情を見ながら会話を進めています。会議前にアジェンダ(会議の進行表)を僕の方で作っておいて、それをネット上で共同作業ができる表で共有しながら進めていくので遠隔でも不自由なく進められます。

宮田

ー なるほど。DEAFと聴者がスムーズにコニュニケーションを取れる工夫をされているのですね。

副業で、財務アドバイザーを始めた理由

ー 平澤さんはなぜ、Silent Voiceに参加したのですか?

平澤さん

自身の親族に障害のある人がいて、それがきっかけで障害者などの教育や就労を支えるNPO法人に関わっていきたいと思いました。
障害者の現実を見ていくと、作業所で月数万円の賃金で雇われている人がいることを知りました。そこに僕は大きな疑問を感じています。「同じ人間なのに、最低賃金以下で働かされる人がいるのはどうなのかな」って。そこで社会に出て財務をしている僕が、それを改善するために何かできることはないかと考えていました。

ー だから、NPO法人への財務アドバイザーをされているのですね。

平澤さん

はい。最初はボランティアとして始めました。お金儲けしたいというよりは、僕の動機は財務のアドバイスを通して、その会社の可能性を広げたいというところにあるんです。

新しいキャリアに踏み出せた、副業の魅力

ー 平澤さんがSilent Voiceに入って、お互いにどのような良いことがありましたか?

平澤さん

大きな企業に勤めていると、従業員がトップの経営側にいくことは難しいと思います。一方副業として違う規模の組織に関わっていると、経営側のことも把握することができます。そうすると従業員と経営者の目を同時に養うことができ、自分にとっての強みになります。

平澤さん

さらに最近は本業でも自ら手を上げ、副業の経験を活かして戦略企画の仕事をする機会を得ました。とは言っても、15年以上やってきた財務の仕事はそのまま副業の方でも継続してやっています。自分が今までやってきた仕事は続けつつ、新たなキャリアにチャレンジできる機会を持てるのが副業の良いところだと思います。

戦略企画と財務の2つの仕事をする平澤さん

ー それは副業の魅力ですね!一方、宮田さんはどのような良い点がありましたか?

平澤さんのようなプロの方からアドバイスをいただきながら、CFOとして業務に積極的に関わっていけました。僕一人だったらこんなに成長できなかったと思います。実は僕は、Silent Voiceに関わる前までは耳が聞こえるようになりたいと強く思っていました。でもSilent Voiceを立ち上げてから4年が経ち、耳が聞こえたらよかったのにと思う場面もありますが、当時と比べるとその気持ちは減ってきました。それは平澤さんと関わったことでDEAF×CFOという組み合わせが希少性を持つことが分かり、それが使い方次第で武器になることがあると思ったからです。

宮田
平澤さん

それは嬉しいです!宮田さんは厳しい状況でもそこから何かを得るレジリエンス(立ち上がる力)が非常に強いです。確かに、コミュニケーションに関してお互いの間にハードルは感じます。しかしそれは、お互いの努力でカバーできています。あとはどんどん今ある強みを伸ばしていけば、きっと希少性の高い人材になれるはずです。

DEAFの経営者が「普通」になる時代

ー 環境や特性は違えど、そこから互いの強みを見つけているんですね。

平澤さん

特に宮田さんのような方がCFOをやっているということは、まだ新しさのようなものがあると思うんです。だからたくさんの方に、まずはこういう人たちがいるんだよって知っていただきたいです。そしていつかはDEAFの経営者も「普通」になる時代が来るのだと思います。

ー そうですね。そうなったら多くの人に良いインパクトを与えると思います。もうすでに新しい未来を作っているお二人ですが、今後どのような未来を作れると思いますか?

CFOとして、これからもっと会社を成長させ、年商50億円の会社にしたいと思います。Silent Voiceを世界にも通用するDEAFと聴者の共同体として大きくしていきたいですね。

宮田
平澤さん

いいですね!一緒に頑張って実現しましょう!
僕は、どのような人でも活躍できる場所や方法はたくさんあるんだよと伝えていきたいと思っています。そして最初に言ったように最低賃金以下で働く人がなくなり、障害者にもしっかり報酬が払える会社が増えるよう働きかけをしていきたいです。
今のSilent Voiceとの活動も、その先駆けになっていると思います。お互いに成長を感じ合える接点づくりから、相乗効果で共に価値を高めていく。そういう社会を作っていきたいです。

ー 本当ですね。そういう会社が増えていくと色んな人の働き方も変わっていきますよね。
平澤さんたちの活動を発信することで働きづらさを抱えている人でも「自分にはこういう可能性があるんだ」や「私もチャレンジしてみたい」と思ってもらえる大きな一歩に繋がると思います。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
宮川 幸
宮川 幸
イラストレーター/ライター。鳥取県出身、福岡育ち。聴覚障害者の両親をもつ耳の聞こえる子どもとして育つ。九州大学芸術工学部卒業。 編集プロダクションにてディレクター兼ライターとして働いたのち、フリーランスのイラストレーターとして独立。 書籍、広告イラスト、グラフィックデザイン、本の挿絵などを幅広く制作。ほかに、アプリ広告用イラスト、ブライダルでのYouTube配信用サムネイルデザインなども行っている。仕事実績はInstagramにて紹介 (@sachi.illustrator) Instagramでの育児漫画も連載中 (@sachi.illustration

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