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「障害」は、誰かの持ち物じゃない。

尾中 友哉
尾中 友哉

よくみる「障害をお持ちの方」という表記。

耳の聞こえない両親のもとに生まれた僕にとってはちょっと痛いワード。
書いた人は、「障害者」に気遣っている気持ちがあるから余計に、むず痒くなってくる。

敢えて意地悪く言うと
「歩けない、あなたの問題」「音が聞こえない、あなたの問題」と遠回しに言ってるような
相手(個人)の問題として捉えているという、そんな解釈を生みかねない表現。

そこから出てきた「障害者」という「何かができない人」という意味の言葉。
そして、「障害」の「害」を漢字で書くか、「がい」とひらがなで書くかっていう議論があった。

それって、なんか前向きな意味あるんかな…(個人的にはマジで意味ないと思ってる)

まずは、社会人の私たちが理想の社会を作っていく上でマイノリティをどう扱うか
その考えから育てたほうが良いと思う。

国は、一億総活躍社会というスローガンを打ち出した。企業の「障害者」の法定雇用率は上がった。
社会の中にどんどんマイノリティを取り込んでいこうという方針だとは思う。

そこから、ダイバーシティ(多様性)、インクルージョン(多様な人々が対等に関わりあいながら一体化している状態)という時代のキーワードが出てきた。

今後、「障害者」と関わっていく人も増えていくだろう。

なおさら、「障害」「障害者」という言葉をもう一度考えたほうが良い。
今の使われ方で、「障害」を個人の問題としてしまったら、「障害者」は何かができない人。
できないことにフォーカスして、社会はどうやって歓迎しよう?企業はどうやって戦力として考えていく???

まず僕は、社会に出て「障害」「障害者」という言葉ですら違和感でしかなかった。
自分の両親が「障害者」と呼ばれ、あの人は耳が聞こえないからと、除け者にされていくんだろうなと分かった。
父と母の努力はどこに行くんだろうとか、ホントはこんないい所あるのになと…
そしてそれは、僕の父と母に限った問題でないことも分かった。
なんか色々もったいない。

ちなみに、聞こえる僕と、聞こえない両親の構成する家庭には
「何かできないこと」とか「はなから諦める」ようなことは一切なかった。

自分の持っている違和感は何だろう。
最近、その違和感を言葉にすることができた。

「障害って誰かの持ち物じゃない。誰かと誰かの間にあるもの。誰かと社会の間にあるもの」

(誰かが持つんじゃなくて、「ある」)

これだ!!!!!

だから、いわゆる健常者同士にもあるかもしれないし、
逆に同じ耳が聞こえない仲いいもん同士で会話していたら障害はないかもしれない。

例えば、僕もいわゆる健常者ですが、たくさん障害には出会っている。
例えば、カンボジアに行った時。クメール語で打ち合わせを始めたら、
もう障害しかない。分かろうとしても少し表情から読み取れるくらい。
ものすごく孤独で居づらかった。

同じようなことが、日常の職場の会議の場でも言えるかもしれない。
経験豊富な上司と、経験の浅い部下。「営業」という言葉を使っても意味合いが違う。その場合、ほとんど言葉が通じていない。
お互いのことを分かり合えない。ここにも障害がある。

自分はこうだと思っていても、相手にとってはそうではない。
立場・年齢・経験・言語・世代・文化・ハンデの有無…
様々な背景の違いのある場所に障害は生まれやすい。

だから、誰かが持っているんじゃない。お互いに取り組むべきもの。
いわゆる健常者もいわゆる障害者も、上司も部下も、移民も原住民も…

人間と人間が、相互に努力してなくしていくべきもの。
そしてそれは、まず自分から勇気を持ってアクションを起こしていかないといけない。

まず自分がそうできるように。

相手のせいにしていたら何も変わらない。

(障害の医学モデル・社会モデルの説明の存在は以前から理解しています。今回はそれが腹落ちしたという話です)

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この記事を書いた人
尾中 友哉
尾中 友哉
株式会社およびNPO法人「Silent Voice」代表。1989年、滋賀県出身。聴覚障害者の両親を持つ耳の聞こえる子どもとして、手話を第一言語に育つ。大学卒業後、東京の大手広告代理店に勤務。「自分にしかできない仕事とは?」について考える。2014年から聴覚障害者の聞こえないからこそ身についた伝える力を活かした企業向け研修プログラム「DENSHIN」や、ろう・難聴児向けの総合学習塾「デフアカデミー」を展開し、聴覚障害者の強みを生かす社会の実現に向けて活動している。2018年、青年版国民栄誉賞といわれる人間力大賞(主催:日本青年会議所)にてグランプリ・内閣総理大臣奨励賞および日本商工会議所会頭奨励賞を受賞。
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