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「小さな枠にとどまってほしくない」高校3年生の親として想うこと

Silent Voice公式
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デフアカデミーを2022年3月に卒業した美鈴ちゃん(現専門学校1年生)。

高校3年生の時に、本人の希望だった動物系の専門学校への進学を決められました。

美鈴ちゃんの進路決定までの記事はこちら

本インタビューは、2022年4月の初旬に実施いたしました。

ちょうど、専門学校の入学式を終えた日で、お家に帰ってきた時でした。

美鈴ちゃんのお顔は、これから始まる生活への夢と期待に満ちて、一層光っていました。

自分で決断した未来。私たちも、これからが楽しみで仕方ないです!

今日は、美鈴ちゃんの進路決定までの様々な想いを一番そばで見てきたお母さまにインタビューさせていただきましたので、ご紹介いたします。

耳の聞こえない、聞こえにくいお子さまを持つお父さま、お母さま。

子どもたちの未来を応援したいからこそ、考えること、迷うこと、葛藤することがあるかと思います。

何かこの記事で、何か少しでも、前に進むきっかけになればと思います。

(下記、お母さまの言葉があまりにも素敵だったので、言葉をそのままに書かせていただいております。)

娘の進路決定と母の想い

『私自身、仕事関係で、ろう・難聴の大人の人と付き合うことが多い職業なんですね。

年代的には、40〜60代のろう・難聴の方とお話をすることが多いんです。

みなさん口を揃えて言われるのが、就職が大変とおっしゃいます。 一度、ろう学校を出て、就職する人が多かった時代。 就職しても、健聴の人は、年々昇格して給与は伸びるんです。

でも、障がい者雇用 として雇われたろう・難聴の人は、そもそも給料が少ない。

それで、いつまでたっても給与は上がらない。 もっと大変なのは、もし、最初の就職で辞めた後。 就職活動をしても、ろうやからという理由で、断られる。 そういうことを、美鈴が小さい頃から、私は聞いていました。

だから、私は、美鈴には、”ろう・難聴”だということ関係なしに、 自分の力を試してほしいと思いました。 国家資格をとって、手に職を持つべきだと思っていました。 資格さえあれば、就職ができなくても、自分で会社を立ち上げることだってできる。

美鈴は元々作ることが好きな子だったから、 専門職の”歯科技工士”になったらいいんじゃないかと思ったんです。 歯科技工士は、大阪には少ないけれど、全国に力を入れている学校があるんです(北海道、東京、筑波など)。

一度、高校1年生の時に、大阪から、筑波まで入学体験をさせたことがありました。 そうしたらです。 体験が終わった後に、 「ここは、いやや」と言ったんです。(笑)

「動物関係がいい」って。

専門学校はお金がめちゃくちゃ高いんです。 途中でやめると、家計も大変。 ちゃんと、覚悟があるのか?と繰り返し聞きました。

時間がたっても、美鈴の想いは変わらなかった。これは本気やなと。

私も、その決断を応援することにしました。

その後、デフアカデミーの高橋さんのご協力もあって、パンフレットを取り寄せてもらったり”ここがいい”という学校に出会うことができたようです。サポートをしてもらって、本当に感謝しています。』

ろう学校での進路相談と葛藤

『ろう学校の先生との進路面談の時。美鈴が専門学校に進みたいと伝えると、先生が言った言葉は、

「やめた方がいいよ」でした。

その先生も、昔、就職に苦労されたんだと思います。

「障がい者雇用枠の就職リストから、案内した方が安全・無難」

その”古い”考え方や習慣がまだ残っていることを実感しました。

ろう学校は、地域の学校と比べると、違うことがたくさんあるんです。一番印象的な、”これは違うな”と思ったのは、職業体験でした。地域の中学にも、ろう学校にも、職場体験というものがありますよね。

地域の中学だったら、自分で行き先を決められると思います。(もちろん人数制限の枠はあると思いますが…)

ろう学校ではね、職場体験先は、先生が決めるんです。

「あなたは、これが得意だから、ここに行きなさい」と。

“自分で決められない”、”誰かが将来を決める”という方針に、愕然としました。

私は、子どもたちには、自分だからこその人生を歩んでほしい。 とにかく、そう願っています。

デフアカデミー との出会い

『同級生のお母さんに聞いて、デフアカデミー を見に行って、入学を決めたのは、美鈴が中学2年生の頃でした。

ろう学校は、教科学習の教えるスピードもゆっくりですし、 できれば、学校が終わった後に、勉強を教えてサポートしてくれるところに入れたい思っていました。

勉強だけでなくて、ろう学校は放課後終わったあと、学校の中での学童がないんですね。

遠くから来ていることも多いから、学校後、集まる人数も少ないんでしょう。

でも、そうするとですよ。 学校から帰った後に、友達がいないんです。

ランドセル放り投げて、友達と遊びに行ってきますー!ということがないんです。

思いっきり友達と遊べる時間は、めちゃくちゃ大事なことやし、この時間がないことは、寂しいと思ったんです。 デフアカデミーに入って、お友達ができた。 仲間と出会える場所ができて、本当に感謝しています。

美鈴ちゃんの変化と成長

『変わったかなと思ったことは、明るくなったところかな! 以前は、兄弟同士でも話さないし、家では、ゲームをして大半を過ごしていたんです。 それが、デフアカデミーに行ったら、楽しすぎて夕ご飯まで家に帰ってこなくなったくらいです(笑) 学校と家庭以外に、美鈴の居場所ができたんです。

学校では体験できない、いろんな世界を見させてもらったのは本当によかったです。 外国のろうの人と交流できたり、遠足に行ったり。世界が広がったと思います。』

ろう・難聴児パパママへのメッセージ

『もう今の時代、”ろう”だから、こうしなくちゃいけない!という決めつける時代じゃないと思うんです。

みんな、小さい枠にとどまってほしくない。 自分の道は、自分で開ける。 親として、そう信じて、応援することかなと思います。』

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