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社内で聴者と聴覚障害者の割合を50:50にする理由とは

宮川 幸
宮川 幸

助け、助けられる会社にしたい

「社員全員が生き生きと働くSilent Voice。創業当時から大切にしていることがあります。それは、DEAF(聞こえない聞こえにくい人の呼称として使用)も聴者もお互いが助け合う存在ということ。違いを受け入れ、支え合うパートナーになっていくんです」

「それを強く思ったきっかけは幼少期の体験にある」と、Silent Voice代表の尾中さんは言います。

「DEAFの両親のために、幼いころから通訳をしてきました。でも僕ばかりが助けるのではなく、両親も僕のためにたくさんのことをしてくれました。親子間でも助け、助けられるの関係があったんです。そうやって育ってきた僕は、『障害者を支援する』という言葉に違和感を感じました。お互いが助け合って、良いものを作り上げる会社にしたいんです」

分かり合おうとする力を働かせる

聴者とDEAFがお互いを補い合いながら、Silent Voiceは数々の取り組みをしてきました。
その一つが、「聞こえる人:聞こえない人を50:50にする」ということ。

例えば10人の従業員のうち、聴者が9人、DEAFが1人だとします。その場合、どうしても9人の聴者の働きやすさを重視してしまう。たった1人のDEAFがやりにくさを主張しても、「あなただけだから」ということで終わってしまいます。

そこで10人の従業員のうち、聴者が5人、DEAFも5人だとすると、分かり合おうとする力がより強く働きます。DEAFがマイノリティーではない分、お互いが楽に仕事ができるよう工夫するようになります。

お互いに助かる方法を見つける

お互いが無理なくコミュニケーションするためには、何が必要か。
聴者とDEAFがお互いに助かる方法として「見える化」が大切になります。

例えば、従業員の一人が電話でクライアントと仕事の話をしたとします。そのとき聴者は、会話の内容を聞いて大体の内容がわかったりします。でもDEAFは聞こえないから、内容が一切入ってこない。
聴者は内容が大体理解できていますが、DEAFは内容を一から説明してもらわないといけません。

その問題を解決すべく、当時Silent Voiceではオフィスの壁一面をホワイトボードにしました。
全社員が、それぞれのプロジェクトの進捗状況を壁を見れば分かるようにしました。
そうすることで、聴者もDEAFも情報共有が無理なくできるようになりました。

[参考]当時やっていた見える化のミニチュア版

社員の割合を50:50にした先には

2021年3月から企業へ求められる障害者の法定雇用率は、2.2%から2.3%に引き上げられます。
「必要だから雇いたい」ではなく「雇わないといけない」状況が強まることで
前向きな関係性を作りにくい職場が増えてしまうことが懸念されます。
この状況を変えるべくSilent Voiceは「助け、助けられる関係」や「お互いに助かる方法」を構築し、どう広げていくかを考えています。

聴者とDEAFを50:50で働くと、実際にはうまく行かないこともたくさんあります。
でも、そうして新しい課題に出会うたび「他の会社で働くDEAFの役に立つかもしれない」「聴者だけの職場にも同じ課題があるかもしれない」と思い、向き合っています。
違いを抱えた組織だからこそ得られたコミュニケーションのノウハウを蓄積し、他の企業でも役立ててもらえるよう、Silent Voiceは取り組みを進めていきます。

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この記事を書いた人
宮川 幸
宮川 幸
イラストレーター/ライター。鳥取県出身、福岡育ち。聴覚障害者の両親をもつ耳の聞こえる子どもとして育つ。九州大学芸術工学部卒業。 編集プロダクションにてディレクター兼ライターとして働いたのち、フリーランスのイラストレーターとして独立。 書籍、広告イラスト、グラフィックデザイン、本の挿絵などを幅広く制作。ほかに、アプリ広告用イラスト、ブライダルでのYouTube配信用サムネイルデザインなども行っている。仕事実績はInstagramにて紹介 (@sachi.illustrator) Instagramでの育児漫画も連載中 (@sachi.illustration

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